誰でも毎日数回は経験している催眠状態・・・どんな時に催眠状態に入っているのか、驚きの代表例をいくつかご紹介。そしてあがり症を含む恐怖症やその他数々のお悩みを比較的短期間に解決するために、なぜ催眠状態に入る必要があるのかをお伝えします。
このエピソードのポイント
- 誰でも経験がある「あれ」も「これ」も実は催眠状態
- 実は子供たちは常に催眠状態!
- 最後の最後で発言権を失う顕在意識!?
- お悩みを短期間で解決するために催眠状態が必要な理由
スクリプト
初エピソードでは、私の自己紹介、どんな経緯でヒプノセラピーを知って、ハマったのか、そして驚きのヒプノの事実について触れました。
で、前回のエピソードを聞いて、いくつか疑問が湧いた人もいるんじゃないかなぁと思うんですが、いかがでしょう?実際、よく聞かれる質問でもあるので、それらの点についてお伝えしたいと思います。
古くは古代エジプト時代から使われてきた「催眠」療法、それだけでもびっくりだと思うんですけど、この催眠状態は、このエピソードをいま聞いているあなたも私も、みーんな毎日数回は経験していると前回お話ししましたよね。毎日、催眠状態を経験しているって・・・一体いつ?って思いませんでしたか?
まずはそこから始めましょう。
ここで逆に私から質問です。ご自身の毎日の生活を振り返ってみてください。毎日数回は必ず催眠状態を経験している・・・としたら、どのタイミングだと思いますか?この質問をすると、「その通り!」っていう答えが返ってくることも結構あります。当ててみたいと思ったら、ここでしばしポッドキャストを一時停止して、考えてみてくださいね。では答えですが、催眠状態を経験するタイミングの一つは…眠りに落ちる直前です。
布団に入ってしばらくするとうとうとしますよね。まだ寝入ってはいないけど、起きてもいないような、ちょっとうつらうつらしている状態、あれがまさに催眠状態です。
そして、目覚める直前、やはり完全に目が覚めてはいない夢うつつ的な状態も催眠状態です。
さて、もしかしたらここでまた疑問が湧いているかも・・・じゃあ、徹夜したら、その夜は催眠状態に入らないの?これは、皆さんも容易に想像できるかもしれませんが、徹夜しているときに、ず〜っと一晩中、頭がクリアで、眠気を感じないっていうことはおそらくないですよね。うとうとしてきちゃって、目を覚ますためにコーヒーを飲んだりするのでは?眠りに入る前に必ず催眠状態を通るので、うとうとした時は催眠状態。そこから眠りに落ちてしまわないようにコーヒーを飲んだり、ストレッチをしたりするわけです。
瞑想も催眠状態と同じ状態だということは前回お話ししましたが、催眠状態に入るタイミングはもっとありますよ。パワーナップがリフレッシュに良いということを聞いたことはありませんか?ちょっと疲れたときに20分程度のお昼寝をするというアレです。あれも催眠状態ですよ。20分程度というのは、そのままにしておくと深い眠りに入ってしまうからです。深い眠りに入ってしまうと起きづらくなってしまいます。だから20分程度なんですね。眠りに落ちる前の状態、催眠状態です。
どんどんいきますよ。マッサージを受けるのお好きですか?特にオイルマッサージとかそうじゃないかなぁと思うんですが、ベッドの上で施術を受け初めて、気づいたら終わっていた・・・ってことありませんか?完全に寝落ちしてしまうこともあるかもしれませんね。寝落ちしてしまった時というのは、「XXさん、終わりましたよ」なんて何度かお名前を呼ばれて気が付く時です。寝落ちした時でも、催眠状態はもちろん通っていますが、多くの場合は… 特に何度も受けている施術、行きつけのお店であれば、終わり頃に意識が戻ってくるのではないかと思います。
あと、電車の中でうつらうつら・・・でも降りる駅の少し前で必ず起きる。通学、通勤時に経験されてる方も多いかと思いますが、はい、催眠状態。
もっと挙げましょうか?映画館で映画を見ている時、まるで自分も映画のストーリーの中にいるかのようにどっぷり浸かって、2時間が数分ぐらいに感じたみたいなときありませんか?あれも催眠状態です。
さて、ここでも「えっ?」って思われたかもしれませんね。そう。目を開けていても催眠状態に入っている時はあるんです。このような現象は「環境催眠」と呼ばれます。
もう一つ環境催眠の例を挙げましょうか。これもおそらく経験があるんじゃないかな。学校や仕事帰りの道筋。いつも通い慣れた道で、気づいたら家に着いていた・・・なんてことありませんか?これも環境催眠です。
最後に極め付け。
私は子供の頃、空想癖というとなんだかネガティブに聞こえるかもしれませんが、一人で想像の世界に浸っているということがよくありました。本の虫だったんですけど、空想の世界に入ってしまって気づいたら数十分、1時間経っていたみたいな・・・あれも催眠状態。
それだけでなく、9歳ぐらいまでの子供たち。常に催眠状態です。というか、深い眠りに入っているときは催眠状態ではないので、眠っていない時は常に催眠状態ということになります。そう、ご飯を食べている時も、遊んでいる時も、泣いている時も、常に催眠状態です。というのも、顕在意識がまだ発達していないからなんですが、この点は次回のエピソードでお話ししますのでお楽しみに。とにかく、個人差はありますが、8歳、9歳ぐらいまでは基本的に常に催眠状態です。
実際にはもっと催眠状態に入っているタイミングはあるのですが、わかりやすいもの、代表的なものをご紹介しました。
次に、やはり前回のエピソードで疑問に思われたかもしれないこと、そして実際よくある質問をカバーしたいと思います。
前回、私が大学院時代に経験したステージ恐怖症、極度のあがり症、当時ヒプノを知っていたら克服できたのに・・・と思ったとお伝えしましたが、あがり症に限らず、問題を効率的に、比較的短期間で克服したり解決したりするのにどうして催眠状態に入る必要があるの?という疑問です。
ここで肝になってくるのが意識の仕組み。意識のしくみ=ヒプノの仕組みとも言えるんですが、意識に顕在意識と潜在意識があるということは既にご存知かもしれませんね。気づいている部分、考えたり分析したりという部分が顕在意識、自分では気づいていない、意識してない意識!の部分が潜在意識ですね。
そしてこれも既にご存知かもしれませんが、顕在意識は意識全体のほんの一部です。私たちは12%と学びましたが、これは多分検証できる数字ではなくて、NLP、神経言語プログラミングの世界では1%と言われていると聞いたことがあります。ちなみに、私はNLPは詳しくはありません。とにかくポイントは、顕在意識があまりにちっちゃいということです。
氷山の一角という言葉がありますよね。あれがすごくわかりやすいかなと思います。水面の上に出ている、見える部分が顕在意識、でも巨大な氷山の大半は水面下にある・・・その部分が潜在意識です。
それがどうしたの?と思われるかもしれませんがここが重要。私のステージ恐怖症、あがり症の例を取りましょう。「ソロ演奏ができるようになりたい、あがり症を克服したい」と当時は当然のことながら思っていました。そう思っていたのは私の顕在意識…つまり私の意識全体の1割程度で、「堂々と自信を持ってソロ演奏をしたい」と思っていたわけです。が・・・意識全体の9割である潜在意識は「一人でステージに立つ=批判される=悪い経験=リスク=リスクは避けるべき」と判断して、避けるべく、交感神経を刺激して、結果ドキドキして、手に汗を握って、頭が真っ白になったわけです。
実際には潜在意識にはロジック、論理はないので、「一人でステージに立つ」というイメージに例えば批判されたときに沸いた感情、「悲しみ、怒り、失望」などが紐づいて潜在意識に保存されて、「一人でステージに立つ」という状況になると、そのイメージに紐づいている感情も芋づる式に自動的に引っ張り出されるので、自分の身を守るために、そういう状況にならないようにとリスク回避しようとするんですね。
なので、全体の1割しかない私の顕在意識がどう頑張ったところで、9割の潜在意識には到底叶うわけもない・・・ということがおわかりいただけるかな?と思います。
ご自身の生活で振り返ってみてください。確定申告の準備をしなきゃいけないんだけど、ついつい先延ばししてしまうとか、間食はしないと決めたんだけど、ついつい食べちゃうとか、家計簿をつけようと始めるものの1ヶ月も続かないとか・・・もしかしたら「私って意志が弱いのよね」なんて思っていらっしゃるかも・・・
実は、「意志が弱い」のではなく、顕在意識の願望と潜在意識の方向性がずれていることが問題なんですね。つまり、意志が強い弱いの話ではないっていうことです。だって、ご自身が好きなこと、趣味とか得意なことは、続きませんか?先延ばしし続けたりしないのでは?だってやりたいから。「やりたい」というのはそこにプラスな感情が紐づいているからやりたいと思うんです。ゲームをしたいと思うのは、「ゲーム=楽しい」という感情が紐づいているから。チョコレートを食べたいと思うのは、美味しい、幸せな気持ちになるという感情が紐づいているから。DIYが好きであれば、出来上がった時の満足感、達成感とか、作っているプロセスの充実感とか、そういう感情が紐づいているから。つまり、顕在意識で「やりたい」と思っていることに、潜在意識も「楽しいね、気持ちいいね、幸せだね、達成感があるね」と同じ方向を向いているから、行動に移せるわけです。そこには幸せホルモンのセロトニンややる気ホルモンのドーパミンが絡んでいるんですが、それは置いておいて。
要は、潜在意識が賛成してくれないと、実行できないということ。さらに言えば、私たちの言動って、潜在意識がコントロールしてると言っても過言ではありません。えっ?って思いましたか?
例えば朝の洋服選び。クローゼットを開けて最初は、昨日はこれを着たし、今日はお客さんに会うから・・・とか考えるかも。で、ある程度絞り込んだら最後はどうしますか?気分で選びませんか?この気分が潜在意識です。
外食時のメニュー選びも同じ。最初は、昨日食べたもの、今夜の予定なんかを考えながら、ある程度絞って・・・でも最終的にはその時の気分で決めるのではないかと思います。要は最終決定権を潜在意識が握っているっていうイメージ。
ちょっと極端かもしれませんが、潜在意識の掌の上で、顕在意識が転がされている感じ???ま、所詮1割程度しかない顕在意識なのでね、はっきり言って最後の最後で発言権がないみたいな。
なので、顕在意識と潜在意識が同じ方向を向いているなら、行動に移せる、実践できるけど、潜在意識があっちの方向を向いていると、圧倒的に潜在意識がかって、潜在意識の方向に行ってしまうということです。
ということは、顕在意識と潜在意識の方向性を揃えれば良いわけですよね。それができるのがヒプノセラピーなんです。
というのも、催眠状態ではこの9割を占める潜在意識にダイレクトに働きかけることができるから。そうなんです。催眠状態は、おそらく最も自然に、楽に潜在意識にアクセスできる状態と言えます。
潜在意識に入る、落ちる内容というのは、「長期的に保管する必要がある重要事項」と判断された内容なんですね。この点については、次回もう少しお伝えしますが、要はご自身が求めている状況、例えば「人前で自信を持って演奏できる」とか「先延ばしせずに確定申告の準備を終わらせられる」とか「ストレスを感じても間食しない」などの内容を「重要事項」として潜在意識に保存したい。その最適なタイミングが催眠状態というわけです。
そして、ヒプノセラピーなら、その最適なタイミングである催眠状態を作り出して、そこで新しい、ご自身が求めている内容、情報を潜在意識に落とすことができる。すごくないですか?ダイレクトに潜在意識に働きかけることができるヒプノセラピーだからこそ、比較的短期間で効果を感じることができる、変わることができるわけです。
ただ、時間はかかりますが、潜在意識にアプローチできるのは催眠状態だけではありません。ご自身で催眠を使わずに潜在意識に働きかけることもできます。ご自身で、催眠を使って潜在意識に働きかけることもできます。
おいおい、ひとつづつお伝えしていきますが、次回は、催眠状態を使わずに潜在意識にアプローチする方法や、ヒプノセラピーとの効果、効率の比較についてお話ししたいと思います。