#17 瞑想 vs. ヒプノのMuse対決

ヒプノのウソ?ホント
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#17 瞑想 vs. ヒプノのMuse対決
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前回は、瞑想もヒプノ・催眠状態も脳のリフレッシュ、ストレス軽減など多くのメリットがあるというお話をしました。今日は、瞑想は苦手!という方でも効果的に瞑想を練習できるMuse の活用方法についてご紹介します。


また、Museを開発されたアリエル・ガーテン氏のインタビューによると、脳のアンチエージング、筋トレはあくまでも、意識が移り始めた時にフォーカスを戻すという瞑想のメリットとのことでしたが、私自身のちょっとした実験で得られた、びっくりの結果についてもご紹介します。

このエピソードのポイント

  1. 日々のストレスと自律神経

    1. 副交感神経に切り替える練習になる瞑想・ヒプノ

  2. Museの使い方

    1. Muse 2 と S との違い、睡眠の機能について

    2. UI、プログラムの使い方

  3. 自分の体で人体実験

    1. ヒプノのセッションで録音したMP3での効果を瞑想と比較

    2. ヒプノも脳のアンチエージングに効果的?

脳の筋トレ、アンチエージングに興味がある方が周りにいらしたら、ぜひシェアをお願いします!下記のリンクから、緊張をほぐして、恐怖や不安を鎮めるガイド付き瞑想のMP3もダウンロードしていただけます。今日お話しした、深いリラックス状態、フォーカスの維持をご自身でぜひ体験してみてくださいね。新しいエピソードがリリースされる際にも、ニュースレターでお知らせします。

 

アリエル・ガーテン氏のインタビュー

 

スクリプト

ヒプノの嘘・ホント、エピソード17へようこそ。

 

前回は、Muse を開発されたアリエル・ガーテン氏のインタビューで知った、瞑想のメリットと効果・そしていわゆるヒプノセラピーで活用する催眠状態との共通点、そして違いについてお話ししましたが、この共通点である、α・θ波の活用、つまり脳のリフレッシュ、ストレス軽減のメリットについて、Museの活用方法と、私がおこなったちょっとした人体実験についてお伝えします。

 

というのも、私たちって日々、本当にさまざまな刺激、出来事に晒されていて、自律神経、つまり緊張担当の交感神経と、リラックス担当の副交感神経自体がしっかりと機能しにくくなっているんですよね。もちろん、個人差はあります。大好きな趣味を持っていて、毎週一定の趣味の時間を持っているとか、スポーツを週に何回も楽しむ人などは、おそらく自律神経のバランスが取れている、取りやすいはずです。

 

でも、誰でもストレスが溜まってるなぁ・・・なんかスッキリしないなぁっていう時期ってあると思いますし、慢性的にストレスや疲労を感じていて、何やってもうまくいかない みたいな方も多いのではないかと・・・

 

そんな状況を打開するにもってこいなのが瞑想・催眠状態。いわゆるα・θの脳波状態です。もし、前回のエピソードをまだ聞いていない方、ぜひ、聞いてみてくださいね。このα・θの脳波に入るというのが瞑想・催眠の共通のメリットではありますが、瞑想では脳の筋トレができる、前頭前野の衰えを防ぐというメリットがあるという話をしています。

 

もちろん、瞑想だろうと催眠だろうと、Museが必ず必要なわけではありません。パワーナップも催眠状態だし、お風呂に入ってる時のリラックス状態も、マッサージを受けつつウトウトしてる時も、ゼンタングルを描いている時も催眠状態です。催眠状態の例についてはエピソード2でご紹介していますが、瞑想も、必要なのは自分の体と時間、そして瞑想しようという意志だけです。

 

が、特に瞑想したことない方、また私のように「一点集中できないっ!」みたいな思考型、常に何かしら考え分析してる癖がついてしまっている人には、単調な呼吸や音などに一定時間集中し続けようとする瞑想はハードルが高かったりします。そういう場合にMuseはとても役立つツールです。何より最近のバズワードのゲーミフィケーション、ちょっとゲームっぽくなっているので、続けやすい、習慣化しやすいというメリットもあります。そこで、Museについてもう少し詳しくお伝えしたいと思います。

 

Museには2種類あります。Muse 2 と Muse S。Sは瞑想だけではなく、熟睡できるための睡眠のプログラムが含まれています。SleepのSなんでしょうね。そしてEEGで脳波を測定していますので、睡眠の分析が非常に正確、いわゆるラボ、研究所とかで睡眠分析するのと同じレベルの精度とのことです。私はオーラリングで睡眠の質を見ているのですが、オーラリングのデータも比較的精度は高いそうです。実際、オーラリングのデータと比較しても、そこまで大きな差はありませんでしたが、確かに特にΔ波の深い眠りの部分とか、覚醒の部分とかに差は見られます。何より、デルタ波、深い眠りのインテンシティ、度合いについてはオーラリングでは見られませんので、睡眠の質を推し量るという点で、Museの大きな利点だと思います。

 

一点だけ、Museの短所としては、オーラリングのような機内モードがない点。瞑想など比較的短時間ならまだしも、7、8時間、頭に直接Bluetoothのデバイスをつけているというのは、個人的には好きではありません。害はないという意見も多いですが、私たちは日々、すでにさまざまな電磁波にさらされて生活しています。一つ一つの影響は微々たるものでも、長期間に累積する影響の度合いはまだ全くと言っていいほど解明されていません。浴びなくても済む電磁波は浴びないに限るというのが私のスタンスなので、Muse Sが届いて1週間ほどはこの睡眠の機能を使ってみましたが、測定のレベルや効果の程も知りたかったので、でもその後は、どうしても寝付けない、夜中に起きてしまった後にまた眠りに入れないような時のみに使うようにしています。

 

さて、ヒプノセラピーで必要なのは、α・θ波ですので、普段はΔ波の話はしません。深い眠りに入ってしまったら、潜在意識にメッセージを落とすことはできませんので・・・ただ、この一番ゆ〜ったりとしたリズムのΔ波は、体の修復や脳のリセットには不可欠ですので、ストレス軽減、健康の回復や維持、という意味ではΔ波はとても重要です。

 

なので、試験、重要な試合やプレゼン、面接などの前夜も、しっかりと睡眠をとることは絶対条件です。夜更かしをして最後の最後まで勉強したり、練習したりというのは全く逆効果です。前日の夜は、栄養たっぷりの食事を摂り、ゆったりとお風呂に浸かって副交感神経を優位にし、しっかり熟睡できるようにしましょう。それが成功の秘訣です。

 

では、Muse を使っての瞑想、つまり脳の筋トレの機能についてですが、Museの瞑想というのは基本的にバイオフィードバック・またはニューロフィードバック瞑想になります。つまり、瞑想しつつ、体からフィードバックを得る。基本的にはニューロフィードバックだと思うのですが、心拍数を測定して心拍にフォーカスすることもできるせいか、バイオフィードバックという言葉も使われています。

 

正直、UIはあまり分かりやすくはありません。というのも、初めて使うデバイスであれば、まず最初にそのデバイスについて、使い方についての説明やガイドを見たい、聞きたいと少なくとも私は思うのですが、私がそのガイドを見つけたのは3日目でした。というのもプログラムというカテゴリーがあるのですが、そのトップには表示されておらず、「すべて見る」という小さなフォントのリンクをクリックして初めて見つかるからです。なので、何がどこにあるのか、何をどう選ぶのかというのには少し慣れが必要です。

 

バイオフィードバックの瞑想の種類もいくつかあり、マインド、これが典型的な一点集中型、ボディ、これは体の動きを感知してウィンドチャイムの音に同期するというもの、ハート、これは心拍数、ブレスが呼吸、そして、タイムド、これはバイオフィードバックではなく、つまりMuseを装着せずにサウンドスケープを聞きながら、自分で設定した時間で瞑想するタイプになります。

 

基本的にはフォーカスをしたい内容、呼吸なのか心拍数なのか体の動きなのかを決めて、Museを装着し、お好みの分数、5分刻で30分までの プリセットもありますが、自由に1分単位で最高3時間59分まで設定できます。ま、私は5分刻みのプリセットで十分です。でも、会議の前であるとか、気持ちを落ち着けたいけど、8分ぐらいしかないな・・・みたいな時に1分刻みで設定できるのは便利ですよね。そして、職場であるとか、出先、電車の中などで瞑想したい場合には、デバイスを装着せず瞑想できるタイムドのカテゴリーで、サウンドスケープを選択して時間を設定して瞑想できるのも利点だと思います。

 

もちろん、脳の筋トレをするなら、Museを装着して、リアルタイムに自分の状態を確認したいですよね。特に初心者は、「これでいいの?こんなもん?」みたいに自分がちゃんと瞑想できているのかよくわからなかったりすると思うので、音で知らせてくれたり、瞑想後に視覚化してグラフで見られるのはすごく便利です。

 

カテゴリーを選んだら、その中からお好みのサウンドスケープを選びます。要はフィードバックに使う音を選びます。例えばマインドのカテゴリーであれば、熱帯雨林の音、海岸、砂漠、都市部の公園、キャンプファイアー、穏やかな雨などから選べます。種類が多いのはマインドですね。他のカテゴリーは3種類程度のサウンドスケープぐらいから選べます。

 

瞑想を始めると、選んだサウンドスケープが、バイオフィードバックを始めます。例えば、私のお気に入りの一つがハート、つまり心拍数のカテゴリーにある、ヒーリングドラム。瞑想を始めると、ドラムが私の心拍数のリズムを刻み始めます。なので、心拍数がちょっと早くなったり、遅くなったり、と自分の心臓と同期しているのを聞いて感じることができますし、ただ同期するだけではなくて、結構顕著に変わるんですね。これは熱帯雨林のサウンドスケープの方が分かりやすいと思うんですが、フォーカスがズレると、嵐みたいな激しい雨風の音になるんです。そしてフォーカスが戻り始めて、脳波が下がってくると小雨になってくる。

 

そしてそして、小鳥のさえずりが聞こえたら、5秒以上フォーカスを維持できたというお知らせです。なので、できるだけたくさん小鳥のさえずりを聞きたいわけです。この部分が冒頭でゲーミフィケーション、ちょっとゲームっぽくなっているというところです。逆に、小鳥のさえずりが聞こえると、やった!みたいに意識が逸れて、その後に嵐のような音になるなんてことが、最初のうちはよくあります。終了後にアプリを確認すると、実際には自分が思っていたよりたくさん小鳥が鳴いているので、サウンドスケープにかき消されている部分もあるんだと思います。いづれにしろ、瞑想中の自分の意識の状態、心拍数、体の動きなどがチェックできるのも大きなメリットです。

 

では最後に、私自身の実験結果をちょっとご紹介したいと思います。瞑想、つまり脳の筋トレが苦手なワタクシ。Muse Sでの筋トレをしばらく続けました。

 

瞑想後のデータの見方なんですが、脳波の部分は、α、θではなく、穏やか、ニュートラル、とアクティブの3段階に分かれています。ニュートラルは意識がアクティブに他のことに行ってるわけではないけど、穏やか〜なαまではいってないという感じ、そしてアクティブは、明らかに何か考えている、フォーカスがどこかに行っているということです。

 

私の傾向としては、ニュートラルまでは問題なくいける。でもカーム、穏やかのレベルは日によっては50%いったりしますが、30%前後だったりすることも多いわけです。脳の筋トレが苦手というのがよくわかります。

 

で、これは私の推測にすぎないのですが、これはあくまで脳波の状態であって、フォーカスのレベルを測定しているわけではないと思います。フォーカスの度合いを知らせてくれるのは鳥のさえずり。5秒以上フォーカスできていると鳥のさえずりが聞こえるので、脳波が例えば穏やかゾーンにいるからといって必ずしもフォーカスを一点に集中できているわけではないということなのでしょう。

 

さて、私は瞑想が苦手だと言いました。催眠状態は大好きです。あんなに心地よい状態はマッサージ以外にないと思います・・・というか、マッサージ受けてる時も催眠状態に入っていることが多いので、ま、同じレベル。最近はマッサージは受けてないですが・・・

 

そこで、一点集中型の瞑想と、ヒプノの催眠状態とのデータの比較をしてみました。Museでは、Muse以外のコンテンツ、つまり音楽でも、ガイド付き瞑想のMP3とか、お好みのコンテンツを聞きつつ、Museで脳波、心拍数、体の動きを測定する事もできるんです。

 

私自身も、時々、メンター、アドバイザー、私が卒業したHMIの講師で、イメージ療法のクイーン、第二の母みたいな存在でもあるメンターにセッションをしてもらうので、セッション時の録音MP3を聴きつつ、Museで測定をしてみました。

 

なんと、カーム、穏やかが84%。これはめちゃくちゃ高いですし、こんな高い数字が出たのは初めてでした。23分ぐらいのMP3なのですが、後半に少し揺れがみられて数回、突起のようにニュートラルのエリアにピョンピョンと出てました。めちゃくちゃリラックスできているということになります。

 

また、小鳥のさえずりについてですが、普段は長くて15分の瞑想しかしていないので、23分のヒプノのMP3よりは短いのですが・・・違いは顕著。セッションのMP3、23分では169に対して、15分の瞑想トレーニングで39・・・思わず笑ってしまいますね。もちろん、ヒプノに慣れているということもありますが、それにしてもこの違い・・・

 

ここで前回のエピソードで少し触れた疑問が湧いてきたんです。鳥のさえずりは5秒以上フォーカスできているサインとガーテン氏はおっしゃってます。で、鳥のさえずりがヒプノでこれだけ多いということは・・・フォーカスできているということになります。でも、ヒプノではフォーカスを一つにとどめようとはしません。「催眠中、なんか色々思い浮かんじゃって」とセッションの最後にクライアントさんがおっしゃることがありますが、それは自然なことで、全く問題ではないんです。なので、フォーカスを維持するということ自体は、瞑想でも催眠状態でもできるけれども、フォーカスを戻すというトレーニングの部分がないと、前頭前野を鍛えられないということなんでしょうか?

 

いずれにしろ、瞑想でも催眠でも、深いリラックス状態、フォーカスの維持が可能ということがおわかりいただけたのではないかな?と思います。そして、手軽にできる瞑想、もし苦手感を感じていたり、実際に自分の瞑想状態を視覚化したい、レベルアップしたい方は、Museを活用されるのも良いのではないかと思います。どちらも脳のリフレッシュ、ストレス軽減など、数々のメリットがありますから、私もヒプノだけではなく、Muse Sでの前頭前野の筋トレも続けたいと思います。

 

いかがでしたか?このエピソードを気に入っていただけたら、ぜひシェアをお願いします。また、Shownoteのリンクから、緊張をほぐして、恐怖や不安を鎮めるガイド付き瞑想のMP3もダウンロードしていただけます。今日お話しした、深いリラックス状態、フォーカスの維持をご自身でぜひ体験してみてくださいね。新しいエピソードがリリースされる際にも、ニュースレターでお知らせします。

 

次回は、特にあがり症と絡めて心拍数のお話をしますが、緊張をほぐすためにも、瞑想・ヒプノは素晴らしいツール!ぜひ、活用してみてください。

では次回、またお会いしましょう。

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