#16 瞑想・催眠は 脳(前頭前野)の筋トレ・アンチエージング

ヒプノのウソ?ホント
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#16 瞑想・催眠は 脳(前頭前野)の筋トレ・アンチエージング
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Museというデバイス、ご存知ですか?ラボグレード、研究所仕様のEEG、脳波を測定できるデバイスで、主な使用目的は瞑想トレーニングです。

 

リアルタイムで脳波・あと心拍数なども測定できるんですが、それによって瞑想状態を可視化することができます。このエピソードでは、このMuseの開発者でもある脳神経学者のアリエル・ガーテン氏のインタビューの内容も踏まえ、あまり知られていないと思う驚きの瞑想、催眠のメリット、特に脳のアンチエージングについてのお話です。

このエピソードのポイント

  1. Museについて

  2. アリエル・ガーテン氏のインタビューから抜粋

    1. 彼女も瞑想が苦手だった

    2. Museを開発した理由と特性

  3. 瞑想と催眠 類似点と相違点

    1. 瞑想は脳のアンチエージング!

    2. 催眠にはアンチエージング効果はある?

脳の筋トレ、アンチエージングに興味がある方が周りにいらしたら、ぜひシェアをお願いします!下記のボタンから、緊張をほぐして、恐怖や不安を鎮めるガイド付き瞑想のMP3もダウンロードしていただけます。今日お話しした、深いリラックス状態、脳のリフレッシュをご自身でぜひ体験してみてくださいね。新しいエピソードがリリースされる際にも、ニュースレターでお知らせします。

 

アリエル・ガーテン氏インタビュー

スクリプト

ヒプノの嘘・ホント、エピソード16へようこそ。
 
私はポッドキャストをよく聞きます。ま、ポッドキャストしてるぐらいですから・・・笑 日本ではまだまだポッドキャスト人口は少ないみたいですが、便利ですよね。アマゾンのオーディブルとか今では、本も読むのではなく聞く時代になってきている?し、ポッドキャストも料理しながら、アイロンかけながら、電車の中で、散歩しながら、など、ながらで聞けるのが便利。
 
しばらく前に、アメリカのメイヨークリニック、NASAでも絶賛されたMuseの開発に携わった、脳神経学者のアリエル・ガーテン氏のインタビューを聞きました。その後に・・・Muse Sを即買い・・・実は5、6年前ぐらいから試してみたいなぁとは思っていたんですが、なんかね・・・本当に良いのかな・・・と確信が持てず買わずにいたのでした。
 
Museってご存知ですか?ラボグレード、研究所仕様のEEG、脳波を測定できるデバイスで、主な使用目的は瞑想トレーニングです。つまり、リアルタイムで脳波・あと心拍数なども測定できるんですが、それによって瞑想状態を可視化することができます。
 
ここで、ガーテン氏のインタビューからちょっと抜粋してご紹介しましょう。このポッドキャストのエピソードは、リンクをショーノートに貼っておきます。ちなみに、アフィリエイトではないので、Museを勧めても経済的メリットは一切ありません。
 
過去に何度も瞑想を試みました。私はセラピストとして患者さんを診ていて、患者さんに瞑想を教えていたんですが、私自身はちゃんとはできていなかったんです。Museはそんな問題を解決してくれます。瞑想中に脳を測定して、リアルタイムでフィードバックしてくれるので、いつしっかりフォーカスできているのかがわかります。
 
聞こえてくるオーディオ(つまり、音楽やサウンド)は、ご自身の脳、瞑想状態によって変化するんです。なので、意識があちこちいき始めると、嵐みたいな音になり、それによって「あ、意識がどこかにいっちゃってる」と気づきフォーカスを戻します。すると嵐がおさまります。そしてしっかりとフォーカスができている時は鳥のさえずりが聞こえてきます。それが、「そうそう、正しく瞑想できているよ」という脳へのお知らせになり、補強になります。
 
ニューロフィードバックなので、また意識がどこかへいくと、また音楽が激しくなって、フォーカスを戻すように促してくれます。なので、自分の頭の中にちっちゃなコーチがいて、ちゃんとできているか教えてくれたり、フォーカスを維持するように促してくれる感じです。
 
そして、瞑想終了後には、瞑想中に自分の脳がどういう状態にあったのかだけでなく、心拍であるとか、呼吸とか、体の動きなど、様々なデータを提供していますので、ご自身の瞑想の習慣をレベルアップしてくれます。
 
インタビューの内容を少しだけご紹介しました。私も瞑想が苦手なので、この部分はすごく刺さりました。瞑想は苦手なんですけど、私は催眠状態は大好きなんです。こんな心地よい状態はないと思うぐらい。でも、脳波の状態は同じ・・・じゃあ、何が違うの?っていう話になります。
 
まず、催眠状態にも色々あります。毎晩、毎朝眠りに落ちる前と目覚める前に通る自然な催眠状態や、環境催眠。色々な催眠状態の例に関してはエピソード2でご紹介しています。ショーノートにリンクを貼っておきますので、聞いてみてください。要は、脳波が比較的ゆっくりな状態、α、θの状態にあっても、目を開けていることもあれば、何かにフォーカスをしている時もあれば、深くリラックスしてうたた寝状態の時もあるということです。
 
瞑想にも色々ありますが、基本的には何かに意識をフォーカス、焦点をあてるというものですよね。それは呼吸だったり、音だったり、またはボディスキャンもその一つと考えられています。なので、広い定義の催眠状態の中でも、意識を一点集中させるタイプが瞑想と言えます。
 
あと、自己催眠という手法があります。これはセラピストの誘導で催眠状態に入るのではなく、自分自身で入るものなので、まさに瞑想と同じです。自己催眠の方法も様々ですが、ボディスキャン、段階的リラクゼーション、斬新的弛緩法とも言われますが、または呼吸など一点集中するのが典型です。
 
ヒプノセラピーでは、セラピストの誘導で催眠状態に入ります。この際は、特に一点集中を意識する必要がありません。セラピストの言葉で自然とリラックス状態に導かれていきますので、瞑想のように、他のことを考え始めたら意識を戻す・・・という必要性はなく、トレーニング的な側面がないわけです。
 
私は、この一点集中のトレーニング型が苦手です・・・先ほどのガーテン氏と同じですね。でも、興味は昔からありましたので、実は随分前ですが、アメリカでヴィッパーサナ瞑想の1週間?10日?ちょっと忘れましたが、に参加した事もあります。が、正直、私にとっては苦痛の1週間になりました。なので、興味はあったし、瞑想できるようになりたいという気持ちは長いことあったわけです。
 
Museを試すきっかけになったガーテン氏のインタビューでは、瞑想のメリットについての言及がありました。それは、脳の前頭前野、つまり前頭葉の前側の部分は、年齢とともに薄くなってボリュームが減っていくる、これが長期間、瞑想の習慣がある人は薄くならない、ボリュームが減らないということなんです。
 
前頭葉というのは、単純に言えば、顕在意識、私たちが計画したり、分析したり、また言動をコントロールしたりする部分です。意志の力もこの部分ですね。脳の中でも最も進化した部分で、つまりこの部分があって、発達していることが人と、他の動物と異なるところといえます。
 
前頭前野は筋肉と同様、鍛えなければ年齢とともに衰えていくそうなのですが、これを鍛えるのが瞑想、つまり瞑想は前頭前野の筋トレというわけです。どう鍛えるのかというと、集中するということ=前頭前野を働かせているわけですが、他のことに考え・意識がいってしまうというのはとても自然なこと、でもその時にフォーカスを戻すという、フォーカスを維持し続けようとするというのが前頭前野のトレーニングなんだそうです。
 
それだけでなく、前頭前野のフォーカス状態を持続させることで、脳波がゆったりと一定のリズムに落ち着くようになる。ま、そうですよね、あれ考えたり、それ考えたりと思考があっちこっち行っていないので、脳波が一定の、そしてゆったりとしたリズムに落ち着いてくる。これが脳波のα状態。そしてこのα波は脳のリフレッシュ波でもあります。これがいわゆるパワーナップがリフレッシュに効果的と言われる所以ですね。ただ、ガーテン氏曰く、このα波のピーク周波数も、年齢とともに落ちてくるのだそうです。つまり、脳のリフレッシュに時間がかかる、効率が悪くなる、脳をリフレッシュしにくくなるそうなんですね。瞑想や催眠状態では間違いなくα・θ波に入るので、脳のリフレッシュができるということになります。
 
というわけで、脳波の速度が下がる、つまりα・θ波になるのは、瞑想も催眠・ヒプノも同じですが、脳の筋トレの部分は一点集中型の瞑想特有とガーテン氏は仰っています。が、 ヒプノの目的自体がそもそも脳の筋トレではありませんし、ヒプノで重要なのは、このα・θの脳波の状態では、顕在意識と潜在意識の間に存在するフィルターがお休み状態になる。その隙に新しいパターンやシナリオを潜在意識に落とすことができるということだからです。
 
そもそも前頭前野は、ある程度衝動を抑える、コントロールをするという役割を持っています。なので、チョコレートが目の前にあるけど、我慢するとか、意志の力で、理性で、願望や衝動をある程度はコントロールできるわけ。でも、これはあくまで潜在意識にそれに反するシナリオがない場合に限ります。例えばタバコをやめたいけど、どうしてもやめられないとか、衝動買いをやめたいけどコントロールできないとか、実力も経験値もあるのに、人前に出るとすごく緊張してもうどうにもならないとか・・・これは、潜在意識に存在するパターンやシナリオ故に、そして潜在意識が顕在意識より数十倍大きいゆえに、前頭前野、意志の力、理性では到底勝てっこないということが問題なわけです。その潜在意識にダイレクトにアプローチしてパターンやシナリオを変えるチャンスがあるのが催眠状態であり、ヒプノセラピーな訳です。自分の言動を変える、パターンを変える、自分のビリーフ、信念、「私はどうせダメな人間だ」とかなぜか信じ込んでいることとかを変えるのが得意です。
 
なので、同じ脳波の状態でも、目的が全く異なるということになりますね。いわゆるヒプノセラピーでいうところの催眠状態は、前頭前野の筋トレにはならない可能性があります。ガーテン氏曰く、例えば運転している時が私の瞑想の時間という人とか、白昼夢、こうぼーっと何を考えるでもなく・・・というのが私の瞑想という人、また本などを書いているときの無になっている状態を瞑想という人もいるそうですが、これらは瞑想とは根本的なところで異なるそうで、いわゆる一点集中型の瞑想のコグニティブ・認知機能のトレーニングのメリットはないとのことです。言い換えると、これらの状態は催眠状態ではあります。が、脳の筋トレにはならないということですね。
 
私が好きな、描く瞑想とも言われるゼンタングル。これも、描いている間に催眠状態、つまりα・θの脳波に入れることは確かですが、ガーテン氏によれば脳の筋トレ効果はなく、一点集中型の瞑想とイコールではないということになりそうです。
 
ですが・・・ちょっと自分自身で実験してみて、ヒプノと瞑想の違いと効果についてある疑問が湧いてきました。このミニ実験の結果を見てみると・・・瞑想中以上にカーム、穏やかな脳波状態に長くいて、しかもフォーカスができている時間も3倍以上だったんです・・・
 
なので、フォーカスを維持するということと、フォーカスがシフトした時に戻すというのは2つの異なる側面なのかもしれません・・・また、Museのアプリには数多くのイメージング、一般的にイメージ療法と呼ばれる類のものもあるので、もしそれが前頭前野を鍛える瞑想と同じなのであれば、ヒプノでも前頭前野が鍛えられるということにもなります・・・どうなんでしょう。可能であればガーテン氏に聞いてみたいところですが・・・この実験と疑問については、次回のエピソードでお話ししたいと思います。
 
瞑想でもヒプノでも、脳波がα波、θ波に下がるということ、故に副交感神経が優位になり、リラックスやリフレッシュができるというメリットは同じです。実際、瞑想やヒプノの研究では、注意力の改善、成績改善、免疫や抵抗力の増加、痛みを感じる閾値の改善、人間関係の改善、など数多くの・・・ガーテン氏曰く、瞑想の研究だけでも1万以上の研究発表がなされているとのことです。また、ポジティブ心理学の研究でも、瞑想の習慣がある人の方が幸福度が明らかに高いということもわかっていますので、瞑想なり、催眠なり、日々の生活の習慣に取り入れているのはいかがでしょうか?
 
いかがでしたか?このエピソードを気に入っていただけたら、ぜひシェアをお願いします。また、Shownoteのリンクから、緊張をほぐして、恐怖や不安を鎮めるガイド付き瞑想のMP3もダウンロードしていただけます。今日お話しした、深いリラックス状態、脳のリフレッシュをご自身でぜひ体験してみてくださいね。新しいエピソードがリリースされる際にも、ニュースレターでお知らせします。
 
さて、次回は、もう少し具体的にMuseを活用することで、日々の瞑想がどう変わるか、そして自分で行った人体実験の驚きの発見についてお話ししたいと思いますのでお楽しみに。
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