#10 この時期、気持ちの余裕がなくなりがち?緊張をコントロールして実力を発揮するコツ

ヒプノのウソ?ホント
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#10 この時期、気持ちの余裕がなくなりがち?緊張をコントロールして実力を発揮するコツ
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クリスマスやお正月、忘年会など楽しいイベントも多い季節。あまりの忙しなさから、気持ちに余裕がなくなったりしていませんか?そして、イベントなどの機会で人前に立つことがあると、普段、特段ひどいあがり症ではなくても、すごく緊張しちゃうなんていうこともあるかもしれません。そして、そういう一度の経験から、恐怖症にまで発展してしまうことさえあります。

 

意識の仕組みを理解していれば、ご自身で上手に緊張をコントロールして、自分の実力を発揮することは十分に可能です。今日は、この特に忙しない時期、あがり症を乗り越えるためのコツを紹介します。

このエピソードのポイント

  1. 準備のコツ
    1. 特に出だし、スタートが鍵を握る
    2. スピーチやプレゼン自体の準備だけでなく、心・意識の準備も大切
      1. 行動変化のレイヤー
      2. イメージ療法
      3. アファメーション
  2. 本番前夜の睡眠の重要性と脳のリセット
  3. より早く効果を実感したいなら…

スクリプト

ヒプノの嘘・ホント、エピソード10へようこそ。

 

いよいよ12月。年末はクリスマスやお正月、忘年会など楽しいイベントも多いですが、あまりの忙しなさから、気持ちの余裕を失ったりすること、ありませんか?そして、イベントなどの機会で人前に立つことがあったら、普段、特段ひどいあがり症ではなくても、すごく緊張しちゃうなんていうこともあるかもしれません。そして、そういう経験から、恐怖症にまで発展してしまうことさえあります。

 

緊張すること自体は、ごく自然な生理現象で、必ずしも悪いことではありません。慣れていないこと、今までしたことがないことは、潜在意識は「リスク」として捉えるため、交感神経が優位になってリスクに備えようとします。そして、一定程度の緊張であれば、逆にパフォーマンスが良くなったりもします。

 

ですが、気持ちに余裕のない状況だと、過度に緊張してしまったり、集中できなかったりする可能性が高まりますよね。意識の仕組みを理解することで、ご自身で上手に緊張をコントロールして、自分の実力を発揮することは十分に可能です。今日は、この特に忙しない時期、あがり症を乗り越えるためのコツを紹介します。

 

まずは準備についてです。これは言わずもがなではありますが、やはり自分のプレゼンやスピーチに自信を持つためにも、丹念に準備をして、それを練習することは必要不可欠ですよね。ただね、その準備にもコツがあります。

 

これは私自身のあがり症からの経験なのですが、私は大学と大学院で音楽を専攻していました。楽器はピアノだったのですが、大学までは人前で演奏するなんて年1回の発表会ぐらいでしたので、大学に入って月1とか、数週間に1回のペースでステージに立つっていうのは結構なストレスでした。しかも、渡米したばかりでしたから、英語もおぼつかない、アメリカでの生活にも全然慣れていない・・・そんな状況で授業が始まり、ステージにも立つようになったので、そのストレスたるや・・・まさに「余裕ゼロ」の状態だったわけです。

 

でも逆に、特に1年目は英語があまり理解できなかったということがプラスにも働いた部分もありました。演奏することでコミュニケーションをとるみたいな?友達もまだいなかったし、そもそもまだまだ英語でのコミュニケーションがおぼつかなかったので、練習室にこもっていたため、準備は十分していたというのもあります。

 

それでも、最初は本当に及び腰でした。当然と言えば当然なのですが、舞台袖では心臓バクバク、手も震えて頭の中は「どうしよう」「どうしよう」がぐるぐる巡ってる感じ?ですが、怖いわけではなかった。プレッシャーが少なかったからですかね。ま、生徒だし。一年生だし。留学生だし、みたいな。そして一旦、ステージに出て、椅子に座って弾き始めると、後は没頭できたんですよね。緊張が完全に解けたわけではないんですが、緊張しつつも、弾いている曲に集中できたということです。

 

その経験から、特に出だしの練習が大切と私は思っています。準備はもちろん最初から最後までしっかりやるのですが、練習する際は特に出だしの部分に重点を置いて行うと、始めてしまえばなんとかなる場合も多いです。逆に出だしでこけるとあとあとまで引きずる。

 

また、毎回ではありませんが、フロー、ゾーンとも呼ばれたりしますが、の状態に入れることもあります。マラソンなどのランナーズハイと同じ状態ですね。時間を忘れるほどに没頭する状態ですから、あがり症の症状を感じにくくします。

 

ただし、あがり症を通り越してステージ恐怖症のレベルまで行ってしまうと、また別のアプローチが必要になってくると思います。というのは、もはや人前に立つことすら無理!という場合は、無理強いすることで恐怖症が悪化する可能性が高くなりますので、もっと小さなステップに分解して徐々に慣らしていく必要があります。このようなケースについては、また別の機会にお伝えしたいと思います。

 

準備といえば、実際のプレゼン、スピーチの準備だけではなく、心、意識の準備も整えていくことが大切です。普段はあまりあがらない、緊張しないという場合は、ここまでにお話しした準備だけで十分だと思います。ですが、普段から人前に出ると緊張する、すごくあがってしまうという場合は、行動変化のレイヤー、そしてイメージ療法とアファメーションを活用して心と意識の準備をしていきましょう。

 

まずは行動変化のレイヤーについてですが、ここでダーツの的をちょっと思い浮かべるか想像してみてください。的の中心、小さな円の部分、これがご自身のアイデンティティ、中核部分、自己イメージの部分です。そしてそのすぐ外側の円がプロセス、言動の部分、そして一番外側の円が結果と思ってください

 

どういうことかというと、自分自身のアイデンティティ、自己イメージをもとに私たちは行動し、その行動の結果が現実として現れるということなんです。そしてこの自分自身、自己イメージをもとにした行動というのは多くが潜在意識からきています。無意識な反応とか言動、仕草とか。

 

で、結果を変えたいって思う時って、行動を変えようとするのがほとんどなんですよね。でもそれって、そもそも自分のアイデンティティに沿っていないと続かない、結果は変わらなかったりするわけです。

 

重要なのはダーツの的の中心にある自分のアイデンティティ、自己イメージが変わること。この部分が変わると、自然と言動が変わってきます。言動が変わるから結果が変わる。

 

芸能人とかでこれって結構よくみられるんじゃないかと思うんですよね。心当たりありませんか?デビューしたての頃は、まぁ、それなりに可愛かったりかっこよかったりするけど、しばらくするとどんどん綺麗になったりカッコ良くなったりする人。周りに「綺麗ね〜」「ホント、可愛いわね〜」「素敵〜」「かっこいい〜」と常に言われることで、それが潜在意識に落ち、自己イメージになっていく。すると、そのイメージに合うようにお手入れをしたり、ヘアスタイルや洋服が変わったり、話し方や身のこなしが変わっていく。結果、より魅力的になる。

 

あがり症の場合は、「私は人前で極度に緊張する」「私は人前で萎縮するタイプ」というイメージができてしまっています。これを変えるのが近道。

 

じゃあ、どう変えるのか?結構単純で、さっきの芸能人の例でも、周りに「可愛いわねぇ」とか「きれいねぇ」とか言われ続けることで自己イメージが変わっていくわけですが、別に周りの人に言ってもらう必要もありません。口癖のように、実際に口にする必要もありません。ただ、「私は人前で堂々としているタイプ」「私はいつどこでも実力を発揮できるタイプ」とおまじないのように唱えたりするだけでもいいんです。

 

嘘っぽく聞こえる?自分で言ってても信じられない?気にすることはありません。作り笑いでもいいから笑顔を作っているとセロトニンが分泌されて免疫も上がるっていう話、ご存知かもしれませんね。最初は嘘っぽく感じても、人間は慣れる生き物。その情報に慣れていきます。慣れていくとそれが当たり前になります。当たり前になると体も心も自動的にそのように反応するようになります。

 

だから最初はすごく違和感を感じるかもしれません。それでOK。ただ唱えてるだけでも、「繰り返し」「反復」で潜在意識に落ちていきます。そして、慣れてきたら、「私が人前で堂々としていられるタイプだから・・・こういう時にどう行動する?」「いつどこでも実力を発揮できるタイプだから・・・どういう気持ち?」みたいに想像してみるのも良いです。例えば、会議などで、発表はしないけれど、出席している時に、もし今日私が発言する日だったとしたら・・・「私は人前で堂々としているタイプだから」と考えるだけで、背筋がピンと伸びたりするかもしれません。

 

プレゼンやスピーチの練習をする時にも使えます。「私はいつでもどこでも実力を発揮できるタイプだから」と想像しながら練習したら、おそらく姿勢や身のこなしが徐々に変わってくると思いますよ。騙されたと思って試してみてください。試す価値、大ありです。

 

 

そして、より効率良くこの新しい自己イメージを潜在意識に根付かせるために、イメージ療法やアファメーションも活用しましょう。

潜在意識に情報が落ちやすいのは、催眠状態。催眠状態にお約束のように入るのは、眠る直前。その眠る直前に、「人前で堂々と発言、プレゼンしている自分」「いつでもどこでも実力を発揮している自分」のイメージをしましょう。いつも言っていることですが、イメージするだけでなく感情、気持ちや感覚を呼び覚ますのが大切。人前で堂々と発言している時の高揚感、自信、自分のアイディアをシェアできることの嬉しさ、達成感、充実感、イメージに感情を紐づけて潜在意識に落とすのが肝になります。

 

その時にアファメーションを書くのも良いですね。手で書くという行為は直接潜在意識につながっています。子供の頃、漢字や九九を学ぶのに何度も何度もノートに書いたりしませんでしたか?あれはとても理にかなっているんです。九九も単に口に出して暗記するより、手で書く方がより早く覚えられます。ですので、アファメーションを書いてからイメージするとさらに相乗効果を期待できますね。

 

また、特に本番の前の夜は、しっかりと質の良い睡眠をとり、脳のリセットをすることが必要不可欠です。これは、人前に立つときだけでなく、例えば重要な試験の前など、とにかくご自身の実力を十二分に発揮したい時には特に気をつけると良いですよ。前回と前々回のエピソードで、栄養素と睡眠の脳への影響についてお伝えしましたので、まだお聞きになっていない場合はぜひ、聞いてみてくださいね。

そしてより早く効果を実感したいなら、ヒプノセラピーを検討しましょう。潜在意識に新しい自己イメージを落とすというところで、何十回、何百回と反復する必要がありませんから、相当な時短になります。あとは、植え付けた新しい自己イメージを補強し、そしてその自己イメージに基づいた言動をどんどん実践していけば、その新しい自己イメージも大きく成長し、言動が変わることで結果に結びつきます。

 

特に、もう人前に立つなんて全然無理。想像しただけで心臓がバクバクしてくるという、恐怖症のレベルまできてしまっている場合、お仕事に支障が出ている場合なら、ヒプノセラピーを活用することでこれ以上悪化することなく恐怖症を克服できます。

 

というわけで、これからプレゼンやスピーチなどを控えているなら、ぜひ参考にしていただければと思います。あがり症でもそうでなくても、実践すればプラスに働くこと、間違いなしです。

 

このエピソードが参考になったなと思われたら、特にあがり症の方、ステージ恐怖症の方が周りにいらしたら、ぜひシェアをお願いします。如何に自分を変えることが可能なのか、「私はあがり症だから、こういう性格だから」と諦める必要がないということをできるだけたくさんの方に知ってほしいなぁと思っています。

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